カデンツを学ぼう!その1【トニック・ドミナント・サブドミナント】

今回は、音楽理論の大切な要素である「カデンツ」について解説していきます!

カデンツとは、ざっくりと説明すると和音機能(和音の性格)を考慮して、和音をいくつか並べたものです。
語学の文法のようなものになります!

また、フレーズの終わりにあるカデンツを終止形といいます。

今回は、フレーズの中にあるカデンツについて詳しく解説していきます!
(終止形は別の記事で解説予定です!)

それでは一緒に学んでいきましょう!

STEP1 和音記号を確認しよう!

カデンツを学ぶ上で必要となる和音記号について確認していきましょう。
和音記号とは、和音をローマ数字で表したものです。

ローマ数字は、数字を以下のように表します。

数字 ローマ数字

ハ長調の場合

例として、ハ長調の音階をみてみましょう。

主音を「Ⅰ」とし、音階の音が上がるごとに「Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ….」と表すことができます。
シンプルに考えると、その音が音階において「何番目の音か?」というのを示しています。

ハ長調のコード

和音記号について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!
和音記号とは?【初心者向け音楽理論講座】

和音記号は覚えるととても便利です!
ぜひ頭に入れておくようにしましょう!

STEP2 和音の機能を確認しよう!

次に、和音の機能について説明していきます。
機能とは、その和音の性格のようなものです。

和音には以下のような機能があります。

  • トニック(Tonic)
  • ドミナント(Dominant)
  • サブドミナント(Subdominant)

1つずつ解説していきます!

トニック(Tonic)

トニックとは、その調のIの和音つまり主和音などをいいます。

ハ長調の譜例だと、一番左の「ドミソ」の和音が主和音になります。
ハ長調のコード_2

主和音は安定感のある和音で、どの和音へも進む性質をもっています。
またⅠの和音以外に、Ⅵ、Ⅲの和音にもトニックの機能があります。

トニックの和音
  • Iの和音
  • Ⅵの和音
  • Ⅲの和音

ドミナント(Dominant)

ドミナントとは、その調のⅤの和音などをいいます。
Ⅴの和音は、属和音(その調の属音を根音にした和音)ともいいます。

ハ長調の譜例だと、左から5番目の「ソシレ」の和音がⅤの和音になります。

ハ長調のコード_3

ドミナントは、主和音へ進もうとする性格があります。

またⅤの和音以外に、Ⅴ7、Ⅶ、Ⅲの和音にもドミナントの機能があります。

ドミナントの和音
  • Ⅴの和音
  • Ⅴ7の和音
  • Ⅶの和音
  • Ⅲの和音

サブドミナント(Subdominant)

サブドミナントは、Ⅳの和音などをいいます。
Ⅳの和音は、下属和音(その調の下属音を根音にした和音)ともいいます。

ハ長調の譜例だと、左から4番目の「ファラド」の和音がⅣの和音になります。

Cmajorのコード

サブドミナントは開放感のある和音で、ドミナントへもトニックへも進む性質をもちます。

サブドミナントの和音
  • (II←※K2のカデンツ中のSのみに使用される→後ほど説明します!)

STEP3 カデンツの型を確認しよう!

それでは、カデンツの型について確認していきましょう!

またこれからは、「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」はそれぞれの頭文字をとって
「T」「D」「S」というように、省略記号で表します。

カデンツの型には、主に3つの種類があります。

  • カデンツ1型(K1)・・・T-D-T
  • カデンツ2型(K2)・・・T-S-D-T
  • カデンツ3型(K3)・・・T-S-T

ひとつずつみていきましょう!
またそれぞれのカデンツの型も
カデンツ1型→K1、カデンツ2型→K2、カデンツ3型→K3というように表します。

カデンツ1型(T-D-T)

カデンツ1型(K1)は「T-D-T」(トニック-ドミナント-トニック)という和音の並びになっています。
以下の譜例は、ハ長調(C Major)の場合の譜例です。

カデンツ1型

カデンツ2型(T-S-D-T)

カデンツ2型は、「T-S-D-T」(トニック-サブドミナント-ドミナント-トニック)という和音の並びになっています。

K2のカデンツ中のSのみに、IIの和音はサブドミナントとして機能します。

以下の譜例は、ハ長調(C Major)のカデンツ2型になります。
音源を聴いて、響きを確認してみましょう!

カデンツ2型

有名なグノー作曲「アベ・マリア」(原曲はあの有名なJ.S.バッハ!)の曲の出だしにも、
この「カデンツ2型」が使われています。

アベ・マリア

カデンツ3型(T-S-T)

カデンツ3型は、「T-S-T」(トニック-サブドミナント-トニック)という和音の並びとなっています。

以下の譜例は、ハ長調(C Major)の場合のカデンツ3型です。

カデンツ3型

「ふるさと」で確認してみよう!

これまで学んできたカデンツが、実際の曲でどのように使われているのかを確認しましょう!

譜例では、以下のように印をつけています。
カデンツ1型=A、カデンツ2型=B、カデンツ3型=C

ぜひ音源を聴きながら、響きを確認してみてくださいね!^^

ふるさとの楽譜

ふるさとは、3つのカデンツの型で構成されていることが分かりますね!!

まとめ

お疲れ様でした!
今回のポイントを復習しましょう!

  • 和音にはそれぞれ機能(性格)がある。
  • カデンツとは、語学の文法のようなもの。
  • カデンツには3つの型がある!

このカデンツの知識は、作曲にも大きく役立てることができます!
以下の記事では、初心者の方向けに作曲のやり方について解説していますので、
宜しければぜひご覧ください!!

はじめての作曲STEP 1【1つの和音の上にメロディーをつくろう!】

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また、こちらはパリ在住の私の妹であるクレアシオン桂(尺八フルート奏者・シンガーソングライター)と立ち上げたYouTubeチャンネルです!  

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