今回の記事では、完全系の音程(1度、4度、5度、8度)について解説していきます。
この「完全」という言葉は壮大なイメージがありますが、
古代・中世のヨーロッパにおいて美しく調和する音程と考えられていました。
実際の譜例を見ながら確認していきましょう!
もくじ
完全系の音程の仕組み
1度、4度、5度、8度の音程は、完全系の音程です。
しかし、シャープやフラットがつくことで音程の幅が変化し、「増音程」「減音程」へと変化します。
・完全音程よりも半音広がる→増音程
・完全音程よりも半音狭くなる→減音程
このことについては後ほど説明します。
以下の順番で説明します。
- 完全1度
- 完全4度
- 完全5度
- 完全8度
完全1度の場合
以下のように、同じ音の2つの音程は「完全1度」となります。
完全4度の場合
以下のように、2つの音にシャープやフラットがついていない4度の音程は「完全4度」と言います。
しかし、全ての4度が完全、というわけではなく、1つ例外があります。
以下のファとシの音程は4度ですが、完全ではなく「増4度」となります。
増とは増音程のことで、完全音程から半音分、音と音との距離が広がった音程です。
例として、「ミとラ(完全4度)」と「ファ-シ(増4度)」の音程の特徴を比べてみましょう。
半音を挟んでいるか否か、2つの間に鍵盤がいくつ挟まっているかに違いがあります。
ミとラ(完全4度)の音程は、2つの音の間に白鍵同士の半音を挟んでおり、
2つの音の間の鍵盤の数は4つです。
それに対し、ファとシ(増4度)の音程は、2つの音の間に白鍵同士の半音を挟んでおらず、
2つの音の間の鍵盤の数は5つです。
このように、ファとシの音程は、完全4度と比べて音と音との距離が半音広いことが分かりますね。
よって、ファとシの音程は増4度となります。
くま先生
完全5度の場合
以下のように、2つの音にシャープやフラットがついていない5度の音程は「完全5度」と言います。
しかし、全ての5度が完全、というわけではなく、1つ例外があります。
以下のシとファの音程は5度ですが、完全ではなく「減5度」となります。
また完全5度であるミとシの音程と、減5度であるシとファの音程を比べてみましょう。
ミとシ(完全5度)は2つの鍵盤の間に白鍵同士の半音を1つ挟んでおり、2つの鍵盤の間に挟まっている鍵盤の数は6つです。
それに対し、シとファ(減5度)は2つの鍵盤の間に白鍵同士の半音を2つ挟んでおり、2つの鍵盤の間に挟まっている鍵盤の数は5つです。
このように、シとファの音程は、完全5度と比べて音と音との距離が半音狭いことが分かりますね。
よって、シとファの音程は減5度となります。
くま先生
完全8度の場合
完全8度は以下のように、低い音から1オクターヴ上の音の音程のことです。
2つの音は同じ音ですが、高さが違います。
完全1度と間違えないようにしましょう!
シャープやフラットが付く場合
シャープやフラットがついた時は、以下の流れで考えていくとスムーズです。
実際に例を見ながら考えてみましょう!
例1 完全音程から半音広くなる
シャープを取り外すと、ドとファの音程は完全4度ですね。
しかし、ファにシャープが付くことで音と音との距離が半音広くなり、
2つの音の音程は増4度となります。
くま先生
例2 完全音程から半音狭くなる
では次にこちらの音程を見てみましょう。
シャープを取り外すと、ファとドの音程は完全5度ですね。
しかし、ファにシャープが付くことで音と音との距離が半音狭くなり、
2つの音の音程は減5度となります。
くま先生
まとめ
お疲れ様でした!今回学んだこと整理しましょう。
・1度、4度、5度、8度の音程は、完全系の音程
・2つの音に♯や♭がついていない場合、ファとシは増4度、シとファは減5度となる
・完全音程よりも半音広がる→増音程になる
・完全音程よりも半音狭くなる→減音程になる
これからも一緒に頑張って行きましょう!
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